
以前から複数の友人に勧められていた「深い河」を読みました。 心に訴えかけて来るような深いテーマに引き込まれてしまい 通学の電車の中、2日間だけで 一気に読み終えてしまいました。
作者の故・遠藤周作さんは、私の知っている限り、 日本で最も有名なクリスチャン作家です。 「深い河」は遠藤さん70歳、 最晩年の作品であり、遠藤さんの人生観が 凝縮されているように感じました。
同じく「河」のつくタイトルで人生観を綴った ブッディスト作家、五木寛之さんの 「大河の一滴」と何か通じるものを感じました。 「河」は円熟の作家たちに宗教の違いを飛び越えた、 深い深いインスピレーションを与えるのかも知れません。
ストーリーはインドの観光ツアーに参加した 日本の人々を軸に展開します。 主要人物たちは皆、親しい人の死や、 自ら死を覚悟するような経験をした人など 人生について何か疑問を抱いている人達で その疑問の答えを求めて、ツアーに参加します。 そして彼らは、ガンジス川で繰り広げられる 光景を目の当たりにし、大きく心を揺り動かされ それぞれが自分の中の疑問に対し、答えを探ります。
ガンジス川… 毎年100万人のヒンドゥー教徒が沐浴にくる聖なる流れ。 人々が沐浴している隣では、 火葬されたばかりの人の灰が河に撒かれている。 その河の中では生と死が背中合わせに共存している。 そしてその河の流れは、すべての罪を洗い流すという…
この作品のために 何度もインドへ取材に行った遠藤さんは その聖なる流れの中に、 人生の縮図を見たのかも知れません。
終盤、 「もうページも少ないし、このままマトメに入るんかな?」 なんて思って油断して読んでいると 見事に予想を裏切られました。 読み終わってからしばらく、 電車の中で呆然となってしまいました。
とにかく、何か信仰のある人もない人も 人生を真っ正面から見つめたい人にはお勧めの逸品でした。
しばらく遠藤周作作品にハマりそうです。
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